君色の手紙
『校庭だよ。ほら、でっかい桜の木のところ!あそこに埋めたじゃん!』


「桜の……木の……、」



そこは、かつて颯斗が私に告白した場所だった。


そんなところに埋めたなんて、憶えてなかったな……。



人の記憶ほど曖昧なものなんかない。



そう思った。



「…………。」


『………間宮、どうかしたか?』


「え……。う、ううん!なんでもない!」


『…………あのさ、これからこっちに来ないか?今まだ校庭にいるんだ。』


「え…………?」


『いや、みんな待ってるしさ!お前に会いたがってるぞ?』



颯斗……。



颯斗の気遣いが伺われた。



「うん、行く!待ってて!!」


会いたい。


颯斗、会いたいよ!!



私はコートも忘れて、急いで学校に向かった…!
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