君色の手紙
颯斗、どうしてそんな目で見るの?


笑ってるのに、切ない……。


寂しそうな颯斗の顔。


「……私は、ちっとも変わってないよ。変わったのは、お互い二十歳になった!ってことじゃない?」


「……そうだな。俺は社会に出て働いて、お前は……大学か?」


「うん!大学生だよ。だからあと約二年で学生を卒業だけどね?」


「そっか。お互い、違う道を歩んでるんだな~。」




違う道を歩んでる…か……。




「それにお前は東京。場所もかなりここから離れてるよな。」



場所?


確かにそうだけど。


場所で人は変わっちゃうの?



私は、今までずっと、

颯斗しか好きじゃなかった……。



でもそれは禁句。


颯斗は近々結婚する。



そんな人に、私の淡い恋心なんて口にしてはいけなかった……。
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