君色の手紙
「颯斗!サッカーボール入れようぜ!!」


「え~!!やだよ!俺らの遊び道具じゃん!」


「でもさ、先生が “大切な物” って言ってたじゃん!」


「ちぇ。しかたないな~!」



颯斗……。



その時私はひらめいた。



数日前の颯斗からの告白、


颯斗へ言えなかったこの想いを手紙にしたらどうか…?



わたしはずっと颯斗のことを“友達”だと思っていたけれど、


颯斗の告白でそうじゃないことに気づいたことを!



本当はそれ以上の気持ちがあったことを!



そしてそれを、未来の自分に宛てて書いてみよう!



そうすれば掘り起こした時、誰にもこの手紙は渡らないし、自分の元へ帰ってくる!


それにわたしの大切な物は、“颯斗への気持ち” だから。



「さくら?どうしたの?」


「え?う、ううん!なんでもない!!わ、わたしもね、大切な人へ手紙を書こうと思ってさ!」


「えー?!誰、誰?!!大切な人って誰?!」


「教えなーい!ないしょ!」


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