君色の手紙
ドアが開くと、私は乗り込もうとした。



だけどもう一度振り返り、この町の景色を胸に刻んだ!



「さよなら……。」



列車に乗ると窓際の席に座った。





「…………ら。」




???



「…………くら!」




ん?



いま声がしたような??



「さくらぁーーー!!!」



「っ!!?……颯斗?!」



反対側のホームに息を切らした颯斗が立っていた!



さっきまで居なかったよね?!


私は窓を開けて、颯斗を見つめる…!



「さくらっ!!なんで何も言わずに行くんだよ!!!」


「はや……と………。」



目頭が急に熱くなってきた…!



「お前!引っ越すときも黙って行っただろッ!!!」


「……っ。」
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