君色の手紙
そして、



『今のは忘れてくれ。……無かったことにしようぜ!な!?』


と無理して笑っていた颯斗。



それを見て私は、堪らなく切なくなったのを今でも憶えてる。


それから卒業式までの数日、私たちは話すことが無くなった……。



あんなに近かった颯斗が、遠く感じた。



そのまま私たちは別れてしまい、颯斗はこの町で。


私は東京へとお互い離ればなれになってしまったんだ!






颯斗……。



私よりも背が低かったけど、今はどのくらいなのかな?


もう私を追い越してるよね?




………会いたいな。




私が帰省した理由はもうひとつある。



成人式に出てみんなに会うことなんだけど、


本音を言うとそれだけじゃない。



私は、できれば颯斗にあの時の返事をしたい……!


そう思って、この町に帰ってきた。
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