星空の奇跡【短編】
胃を押さえながら、女性控え室に入る。


楽団の女性と、出されたお弁当をつつく。


でも、あまり食欲がない……。


女性の1人が、控え室にあるテレビをつけた。


「わぁ!もうお客さんいっぱいだよ!」



そのテレビには、客席が映っていて、開場して間もないのにほぼ満席だった


「そういえば、彼かっこいいよね!!!」


「あぁ、バイオリンのね!」


「ずっとオーストリアにいたらしいよ」


「オーストリアなんて、本場じゃない!!!」


「まだ若いのにね。22歳らしいよ」


「えっ……20歳も年下!?」


楽団の女性たちは、彼のことで盛り上がっていた。


あ……そういえば名前聞いてなかった。




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