私と、総長と、幹部候補の三角関係。
『……ひ、な?』
私は真っ直ぐ西谷先輩を見ていたから横から話しかけられて肩が震える。
『どうして?…っその服、どうした!』
破られた木製の扉の方を見ると遼が呆然と立ち尽くしている。
明らかに目のなかに見える動揺。
私は遼の方を向かず、西谷先輩を真っ直ぐ見続けた。
『日奈の足を折ったのはお前か…?』
毒牙の総長に西谷先輩が聞く。
「え…っ?」
『日奈を襲ったのはお前か?』
なんで、それを西谷先輩が知ってるの!?
『日奈の心を傷つけたのはお前だな!』
確信に迫った西谷先輩の目は怒りに満ちていた。
『は!?日奈を襲う、足を折った!?何の話だよ?』
意味を理解できてない遼。
真相を理解できない私。