召喚女子高生・ユヅキ
「────ちょっと、私の友達どこに連れてく気?」
親友を囲む不良たちの中へ、ずかずかと分け入った。
「柚……ッ!」
「ごめんね。気付くの、遅くて」
横目で栞を安心させると、柚月は視線を戻して睨みつける。
「離してよ。もう帰るとこなんだから」
内心どけと指示する柚月を、不良たちは明らかに快く思っていない。
ナンパを邪魔されて、イラつき始めているのだろう。
栞のビジュアルからして、友人たちも美少女だと勘違いしたのかもしれない。
平凡で悪かったなと胸中で毒づいて、柚月は気付いた。
不良たちの内、三人は頭部に包帯を巻きつけていたり、顎にガーゼが張りつけている。
どこかで見覚えがあるような。
その時、注視していた三人が目を丸くして大口を開けた。
「あ────ッ!!」
叫ぶなり、こちらを指さしてくる。
彼らの失礼な態度に、柚月は眉をひそめた。
「あんたたち、誰よ?」
「この傷をつけた張本人だろうかッ!」
怒鳴りながら、指さしたガーゼで気付いた。
「ああ。小学生にカツアゲしてた不良」
「不良、言うなッ!」