召喚女子高生・ユヅキ
要するに、ほしいゲームを買うために兄弟でお小遣いを貯めて、塾帰りの今日、購入しようとした。
それを運悪く彼らに見つかったというところか。
柚月は再び溜め息をついて、前へ歩き出す。
「だいぶ、ニュアンスが違うようね」
スクールバックを肩から下ろし、両者の間に割って入った。
小学生の話が嘘とは思えない。
柚月は、彼の言い分を全面的に支持することにした。
手にしていたスクールバックを少年の前へ突き出す。
「これ、持ってて」
おずおずと受け取る少年に、優しく笑いかけた。
ここ数ヶ月、ささくれた日々を送っていたので、表情が引きつってないかだけが気がかりではある。
次に、不良たちを睨みつけた。
「悪いけど、このままサヨナラってワケにもいかないわ。彼から取ったお金、返してもらうわよ」
柚月の言葉に、三人は顔を見合わせて笑った。
新しい獲物が舞い込んだと思ったらしい。