召喚女子高生・ユヅキ
「察しが悪くていらっしゃるようですね。では、はっきり言いましょう。
従者は主人の鏡です。あなたが無能なら、自然と周囲の者も無能になります」
次々と吐かれる毒矢のような言葉。
こんな東雲は初めて見る。
一体、彼の何が逆鱗に触れたのか柚月にはわからなかった。
ただ黙って、ことのなりゆきを眺めるしかない。
「与えられたものだけを誇り、子供の些細な行動を咎める者に、彼女を卑下されるいわれはありません。
畜生以下の横暴な振る舞いは、家名を穢すと思ってください」
「────ッ!?」
彼は、今度こそ絶句に追い込まれた。
はっきりと自分のしたことを正確に見抜かれ、『動物以下の行動をしていた』と指摘されたのだ。
家名を重んじる貴族にとって、これほどの屈辱はないだろう。
異世界の人間である柚月でもわかることだった。