召喚女子高生・ユヅキ
そんな不遜な要求を受け入れ、名を明かしてまで証をくれた。
初対面の姫君に気を遣わせてしまったことにを恥ずかしく思う一方、柚月は嬉しかった。
彼女は、宗真のように自分を他の人間と同等に見てくれたのだから。
相変わらず、苑依は微動だにしない。
けれど、彼女は柔らかに微笑んでいる。
根拠のない憶測だが、柚月はそんな気がした。
《それでは、本題に入らせていただきます。これから話すことを、漣殿にお伝えくださいませ》
改まった苑依の口調で、彼女の優雅な礼を見たように思える。
とても不思議な姫君だった。