冬の恋-2-
現実
「俺からも聞いていい?」
「…何…?」
「なんで俺のこと、待ってたの?」
あたしの手を握る力をすこし強くして聞く颯太。
「…好き、なの。颯太のことが好きだったから、会いたかったから、待ってた。ここにいれば会えるかなって思って。」
「そっか。ごめん、すぐ会いにこれなくて。」
「ううん、大丈夫。だって颯太にはあの時大切な人がいたから…、仕方ないよ。」
「…ごめん、ひとみ。」
「だからいいの…仕方ないこと…」
「違う。」
あたしの言葉をさえぎって、あなたは言った。
「俺、結婚してるんだ。」