恋は涙色
話しかけられるとしても、さっきみたいに雑な扱い。
私、本当に海斗の彼女なのかな…。
「はぁ…」
ため息をつくと、コーヒーを買って手に取る。
どうせ今頃、結花と楽しくお喋りしてるんでしょ?
…戻りたくないな。
「和泉!!」
そのとき、誰かに声をかけられた。
「…山本」
その正体は山本 岳夜。
明るめな茶髪がめだつ元気な男子。
最近仲のいい友達だ。
「まーた忠実なわんこちゃんやってんの?」
「…うっさい。山本には関係ありませんよーーだ!」
べっと舌を出せば、変な顔!と笑われてしまう。
くそ。山本め。