桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「あー桃姫、こうなったら龍哉は諦めへんから、さっさとヤッて黙らせた方が早いと思うで?」


「黙らせた方が…って」


その言い方だと、私が勝つって言ってるもんじゃん。


それ、副総長の立場でいいのかな。


私の考えてることがわかったのか、光汰はニコリと白い歯を見せながら笑った。


──どきっ。


また…っ、この胸の痛みっ。


「桃姫は強い。それは龍哉もわかってることや。だけど、桃姫と会うことや、ましてや戦うなんて滅多に出来へん。だから龍哉はこのチャンスを逃したりしとぅないんや」


どうして私なんかのためにそんなに一生懸命になるのっ?


桃姫なんて呼ばれてるけど、どこにでもいる普通の族の総長ってだけなのに…。


「…わかったわよ。ヤルよ。そのかわり、負けても文句は聞かないわ」


「おう!男に二言はない!」


またそのキラキラ笑顔!


龍哉にヤられるとか以前に、光汰に殺されるよっ!!


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