桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「光汰、ちょっとこい」


「なんやねん…って、何怒ってるんや?!」


ああ、やっぱりその顔は怒ってる顔なのね。


眉間にしわ寄ってるから、そうかな?って思ったけど。


しかも光汰、龍哉に怒られてるし。


まぁ、何となく理由はわかったけど。


どうでもいいから早くヤろうよ。


一刻も早くここから退散したいんだけど。


はぁ…っとため息をつくと、服の裾を引っ張られた。


「ん?」


「桃姫さん、僕たちの総長がすみません」


「…ごめんなさい」


あらー、誰かと思ったら玲也と麗だ。


敬語ということは、まだ気づいてないのかな?


あれ?でも今…麗しゃべったよね?


んんん?


これは玲也だけ気づいてない感じ?


「にしても、僕たちもまだまだだね」


「…ね。雰囲気違う…から」


「そうそう、最近はあの姿ばかりだったからかもね」


…うん、何となく察したよ。


「2人ともいつ気づいたのよ」


気づいてるくせに知らない振りして近づいてくるのはダメじゃない?


小悪魔ですか。


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