桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「そうだった。今はそれどころじゃねぇんだった」


「それどころじゃねぇとかひどすぎひんか?!」


「…うるせぇよ」


…帰りたいなー。


よし、帰ってしまえ!


待つ義理はないもんね!


早くしない龍哉が悪いってことで♪


「…んじゃ、さようなら」


玲也と麗の頭を撫で、未だに言い合いをしている2人に手を振る。


仲間だし、玲也たちもいるからーっと思って落ち着くの待ってたんだけどな〜。


よく考えたら〝今〟の私は仲間じゃないし、別に待つ必要ないってことに遅くも気づいてしまったし。


時間を無駄にしてしまった…。


…いや、白龍を守らないといけないから無駄ではないけど。


「ちょー!?落ち着くから帰んなや!」


「待て!!…待たせて悪かった。今からでも手合わせを願いたい」


「はぁ…」


そんな慌てることかな。


どこもすごくない。


ただの族の総長ってだけなのに。


< 112 / 230 >

この作品をシェア

pagetop