桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「光汰さんは何をそんなに悩んでるんですか?」


「ん、ちょっとな。自分のことがわからへんねん」


そう伝えると、玲也は意味がわからへんのか、目をパチパチさせている。


意味がわからへんのは当たり前や。


俺だって意味がわからへんのやから。


「よくわかりませんが、そういうのは口に出した方がいいですよ」


「口に?」


どういうことや?


「自分で考えてもわからないことでも、他人に相談することでわかることもありますから」


他人に相談することで…。


そうやな、うじうじ考えたってわからへんものはわからへんのや。


潔く認めて次へ進んだ方が早い。


となれば…。


ちらっと玲也を見ると、玲也も視線に気づいたのか目が合う。


ゆー君が隠してる秘密を聞いたところで、弟である玲也が言うとは限らん。


それでも聞かないよりはマシやろ。


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