桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「…ゆー君はさ、なんで学校にこぉへんの?」


「兄さん…ですか?」


「そうや。玲也と麗は来とるやん。家の用事って聞いてんけど」


じっと玲也の目を見つめる。


玲也は目を見つめられると嘘がつけないんや。


それは玲也の兄であるゆー君から教えてもらった〝秘密〟。


まっ、教えてもらったんは玲也には秘密やけどな!


「その件で悩んでるのでしたら、僕達に聞いても意味はないです」


意味がない?


「なんでなん?兄妹なんやろ?」


「確かに兄妹です。ですが、家のこと、兄のことは僕達は何も知らされないんです」


〝いつも知るのは終わった後なんで〟


そう続けた玲也はとても悲しそうで。


嘘をついてるようには思へんかった。


こんなこと、やっぱり聞いていいもんやない。


現に玲也を傷つけてもぉた。


後悔先に立たずってやつや。


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