桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「…なぜ向こうに潰そうとしていることがバレたのか」


「そう。昨日の闇討ちで向こうはこう言った」


「こっちには組がついている。死にたくなければ引け!」


「…そうすれば…命だけは助ける」


ユウ、ユキ、シノの順で言う。


…なんでユキさんはそんなにノリノリなんだろうか。


「私たちを潰す気はない?」


「みたい。まぁ、敵には回したくないみたいだけど」


そうだろうね。


なんたって全国No.1だもん。


「それより、なんで敵に白龍を守ってることがバレたんだろう」






「お、俺が…」


「樹?」


フラフラと立ち上がったのは、黒狼の中で最年少の樹-イツキ-。


中1の樹はまだ成長期を迎えていないからか、その身長も低くてみんなのアイドルとして、弟として可愛がられている。


いつも笑顔なのに…今の樹はすごく青ざめていて、今にも倒れそうだ。



< 146 / 230 >

この作品をシェア

pagetop