桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「街で言ってるの聞かれたのかも…っ」


キツく握った拳をふるふると震わしながら言ってくれた真実。


樹は泣きそうな顔で見つめてくる。


今回のことは自分に非があると、泣いていい立場じゃないと、泣くのを必死に耐えている。


ここは総長である私が動かないといけないところ。


でもなんて言う?


下手なことを言って、樹がやめてしまうことだけは避けたい。


みんなも樹がやめるのは反対っていうだろう。


でもどうしたら…っ。


その時、肩をポンッと叩かれた。


振り向くと、そこにはキレイな顔で微笑むユウがいた。


「ユウ?」


「考えなくていいよ。ユズのしたいようにしたらいい」


「ユズさんはいつも正しいです。間違っても私たちがいます!」


「…大丈夫」


…そうだね。


私は一人じゃないから。


自分を信じて。


みんなを信じて。


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