桃の姫〜最強姫の愛した族〜
ふぅ…と息を吐くと同時に、ポケットに入れていた携帯が震えた。


長さ的に電話?


…まさか光汰じゃないよね?


私の様子に気づいたのか、みんなは顔を見合わせ、そして静かになった。


そんなみんなを横目に、通話ボタンを押す。


「…もしもし?」


『遅いっ!!』


突然の大きな声に眉を顰める。


「お父さん?」


『連絡しろと言っただろう。いくら待っても掛かってこないから心配したんだぞ?』


驚きのことばかりですっかり忘れてました。


黒狼のこととなると、どうしても周りが見えなくなる。


直さないといけない癖だな〜。


『それで、そっちの様子はどうだ?』


「大丈夫です。返り討ちにしたみたいで、みんなとても元気ですよ」


『返り討ちって…さすがというべきか』


はぁ…っとため息をつくお父さんに、先ほどの自分を思い出す。


私も聞いた時は驚いたな〜。


まぁ、闇討ちされて黙ってヤられる子たちではないけどね。



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