桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「ユズさーん!準備終わりました!」


現れたのはユキで、2階から叫んで知らせてくれる。


横にいるユウが呆れた顔をしているのを、ユキはきっと見えてないんだろうな〜。


「ありがとう。じゃあ、先に休ませてもらうね」


「はーい!ゆっくり休んで下さいね!」


笑顔でそう言ってくれるユキに笑顔で手を振り、ユウに向き直る。


「もう部屋に行くね?ユウも早く寝ること。目の下、クマが出来てるよ」


目の下を指していうと、ユウは手でそれを隠した。


今更隠したところで意味はないんだけどな〜。


黒狼の副総長で、真面目でみんなのまとめ役のユウだけど、実際は抜けてるところが多くて。


だけど本当のユウを知っているのは極わずか。


みんなユウの外見に騙されるんだ。


「どうせ夜遅くまで調べてたんでしょ?特に、〝あいつ〟が関わってるからいつも以上に」


ぴくりと揺れた肩。


…ビンゴか。


ユウはわかりやすいから助かるよ。


まぁ、それも戦いとなったら命取りになるかもしれないから危ないけど。


< 160 / 230 >

この作品をシェア

pagetop