桃の姫〜最強姫の愛した族〜
『…ゆー君』


「ん?まだ何かあんのか?」


『いや、その…』


「?なんだよ?」


『っごめんな!!』


「は?…光汰っ?!」


名前を呼ぶが、聞こえてくるのは機械音だけ。


ちっ、切りやがった。


それにしても、〝ごめん〟ってどういう意味だ?


やっぱり…何かあるのか?


そう考える方が妥当か。


はぁ…めんどくせぇな。


でも、本当にバレている可能性もある。


そうなら、早く何とかしねぇと。


あいつをこっちに巻き込むわけにはいかねぇ。


とりあえず今は早く家に戻って柚瑠の姿にならねぇと。


近くに放り投げていたパーカーを着て、バイクの鍵を持つ。



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