桃の姫〜最強姫の愛した族〜

｢ふぅ…｣


何を言われ、何を聞かれるのかわからないが…。


油断だけはせず、冷静でいよう。


冷静さを失えばわかるものもわからなくなるからな。


ふぅ…っと息を吐き、倉庫の扉をゆっくり開ける。


｢あ！柚瑠さん！おはようございます！｣


｢おはよう。龍哉たちは幹部室？｣


｢はい！呼んできましょうか？｣


｢いや、自分で行くよ。ありがとう｣


面子くんに手を振り、2階へと続く階段を上がる。


階段を登ってる時から感じる嫌な予感。


幹部室の前につくと、それはもっと大きくなる。


こう見えて俺の感は当たるんだよな…。


━━コンコン。


｢入れ｣


龍哉の言葉を聞き、ゆっくりと扉を開ける。


そこには真剣な顔をした龍哉と、気まずそうにする３人がいた。


｢用件って？俺も忙しいんだけど｣




｢そうか。なら単刀直入に聞く。…お前は何者だ｣