桃の姫〜最強姫の愛した族〜
第七章

そろった役者たちと種明かし

「なんや?敵の増援なんかっ?」


「いや、あっちも戸惑っているところをみると違うだろ」


「じゃあ、一体何者なんや?」


そんな2人を横目に、私は麗の背中を押す。


ちらちらとこっちを見る目は、私の反応を伺っている様子。


「行きたいんでしょ?あいつなら受け止めてくれる」


「…お姉ちゃん、ありがとうっ」


麗は私の背中から抜け出すと、一直線に悠里の元へと走り、勢いよく抱きつく。


「はぁ…俺も行くかな」


ため息をついてる割には嬉しそうな顔しちゃって。


お姉ちゃんは寂しいよ。


「なんでいるんだよ、雪美」


「あー!その言い方はひどいんだ!私は亜柚菜さんのピンチにはいつだって駆けつけるんだから!」


「姉ちゃんはピンチじゃないし」


敬語もすっかり抜け、普段の玲也に戻っている。


その姿に、またしても白龍はボーゼンと立ち尽くしている。



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