桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「な、なんで冷静なんだよ!倉庫が潰されたら、黒狼も終わりなんだぞ?!」


「まぁ、倉庫が潰されたら代わりの倉庫見つけたらいいし?」


「そうそう。俺たちには波多野組もついてるしね」


「ですね!仲間が無事ならそれでいいですし!」


「…仲間、大切」


ふふっ。


焦ってる焦ってる。


そんなに私たちの答えが意外だった?


「なんでだよ?!倉庫は大事だろ?!」


「倉庫も大事だけど、仲間の方が大事だし。それに、形あるものはいつか壊れるって言うしね」


倉庫は替えが効くけど仲間はそうはいかないでしょ?


それをどう捉えるかが重要なんだよ。


まっ、薬漬けで狂った頭ではそこまで考えられないだろうけど。


「それと、修平は勘違いしてるようだけど、僕たちの倉庫は無くならないよ」


「どういうことだ?」


「誰もね、ここにいるのが全員とは言ってないってことだよ」


だんだん青ざめる顔。


あーやっと気づいたか。


だけど今気づいてももう遅い。



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