桃の姫〜最強姫の愛した族〜
早く認めて捕まった方が楽なのにね。


「ユウ、あれよろしく」


「了解」


ユウは返事をすると、入り口の方へと歩いて行く。


そして戻ってきた時、右手にはさっきまで持っていなかったロープを握りしめている。


その先を辿ると、1人の男がロープでぐるぐるに巻かれている。


あいつがきっと…。


「副総長…?」


「うわっ、まじかよ」


「強い副総長が捕まったってことは俺たちが負けるんじゃ…」


次々と聞こえてくる声。


それは轟のもので。


下っ端たちもやっと何が正しいのか気付き始めている。


だけど未だに修平は気づかない。


いや、〝気づかない振り〟をしている。


そんなの辛いだけなのに。


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