桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「ユズさん、大丈夫ですよ!消えない傷が出来ても、ちゃーんとしたらお嫁さんの貰い手はありますからね!ねっ、ユウさん!」


「俺?!」


「なんですかー?嫌なんですか?!」


「嫌なわけないよっ」


あ、珍しくユウが照れてる。


この2人はお互い好き合っているのは周りから見てもわかること。


だけど未だに付き合わないのはきっと、麗の傷がまだ癒えていないとわかっているから。


でもね、ユウ。


そんな他人に付けられた傷なんて気にしたらダメだよ。


それをユウが塗り替えてあげないと。


「ユウ、私が隙を作るからその間に麗を助けて」


「…ごめん、それは賛成出来ない」


「なんで?」


出た、ネガティブユウさん。


はぁ…正直言ってめんどくさい。


私もさっきまではネガティブだったから人のことは言えないけど、好きなら好きって覚悟を決めよう?


想いが伝えられるのだから。


近くにいて、離れていかない内に言わないと後悔するのは自分だよ。


< 212 / 230 >

この作品をシェア

pagetop