桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「麗はきっとユズが助けた方が喜ぶから」


━━ブチッ。


何かが私の中で切れた音がする。


そして私は思いっきり息を吸い…。


「あーもうっ!!!」


叫んだ。


「ゆ、ゆー君?」


「姉さん、何叫んで…」


光汰と玲也が何か言ってるけどスルー。


「ユウ、あんたうじうじしすぎ!男ならはっきりしなさい!助けたい、助けたくない!どっち!?」


「っ助けたい」


「よしっ。なら隙を見て助けてよ」


頷くユウを見て、みんなに気づかれないようにため息をする。


まだやることは残ってるのにもう疲れたよ。


「ゆー君、大丈夫なん?」


「ん?…ああ、ユウね。大丈夫よ。あれくらい言わないと先に進まないもん」


「そうなんや。…ん?ちょぉ待ってぇや!麗はあいつが好きなんか?!」


「うるさい」


今の状況考えよう。


そしてさ、周りをよく見た方がいいよ。


麗は顔真っ赤だし、ユウは…うん、笑顔で怒っていらっしゃる。


お願いだからキレないでよ?


< 213 / 230 >

この作品をシェア

pagetop