桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「いくよ」


まずは光汰。


普通の修平を挑発するのは大変だと思うけど…。


今のあいつは薬漬けで正気じゃないから大丈夫。


「なぁなぁ、あんたさ、人質いないと俺らに勝てないんか?はっ、弱ぇやつ!…あっ、弱ぇからこんなに人も集めたんやな。自分1人では白龍には勝たれへんもんな!」


「俺が弱い…?舐めてんのか??」


よし、挑発に乗った。


次は龍哉。


光汰が挑発している間に背後に回り、緩めに蹴りを1発入れる。


「これはお前のせいで辛い思いをした仲間の分だ」


「ぐっ!」


背後からの気配に気づかなかったのか、避けることが出来ず、倒れかけるが何とか踏ん張った。


ここまでは予想通り。


そしてきっとあいつは懐にしまっている〝あれ〟を取り出すはず。


「ちっ!恨むなら俺を怒らせたあいつらを恨むんだな!」


よし、予想通り!!


修平は懐に隠し持っていたナイフを取り出すと、麗に振り下ろす。


だけどその動きを読んでいた私からしたら遅い。



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