桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「それでもっ、悔しいんだ。麗のあんな嬉しそうな顔…本当に久しぶりに見れて嬉しいのに」


悔しそうに、でもどこか嬉しそうで。


玲也も苦しんでる。


だけどそれは玲也が苦しむ必要はないんだよ。


「…姉さん?」


「大丈夫だよ」


そう呟いて、サラサラの薄い茶色の髪を撫でる。


「麗はいつか誰かと付き合って結婚する。だけど、麗と玲也が双子で兄妹ってことには変わらないよ。それに、麗が玲也を1人置いて行くと思う?」


「思わない…」


「ん、だから大丈夫だよ」


ね?っと笑いかけると、玲也も微笑み返してくれた。


よし、もう大丈夫だね。


なんて安心していると。


「玲也っ!」


「っえ?…うわっ!」


さっきまでユウに抱きついていた麗が走ってきて、勢いつけて玲也に飛びついた。


いきなりだったためか、受け身を取れなかった玲也は尻もちをつく。



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