桃の姫〜最強姫の愛した族〜

おめでとうとありがとうを君たちに

「お嬢、俺たちはこれで」


「うん、ありがとう。お父さんによろしく」


「はい」


ふぅ…組員も帰ったし、私は最後の仕事をしますか。


「とりあえず、白龍のみなさん、No.2への昇格おめでとうっ!」


私がそう叫ぶと、周りから拍手が起こる。


拍手をしているのは黒狼で、その顔は本当に嬉しそうだ。


「サンキュー」


「まっ、黒狼の助けがあったおかげやけどな!」


あらあら、余計な一言を。


光汰さん、横を見てみ?


龍哉が睨んでるよ?


「改めて自己紹介と、今回の経緯を話す。それでいいかな?」


一応約束だし。


説明聞かないと納得出来ないだろうからね。


みんなも気になってると思うし。


「ああ、それで頼む」


「うん。私の名前は波多野 亜柚菜。波多野組の若頭で、若頭としての名前は柚瑠」


「亜柚菜は2つの名前を使い分けてるからね。本当にすごいよ」


そこまですごくないんだけどね?


使い分けないと、私情が混じってしまうから。


だから使い分けてるだけ。


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