桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「ねぇ、コタさんって無自覚なんですか?!」


「ユキに同じく。あれで気づかないなんて…」


「悠里くんには言われたくないと思うけど。…あ、悠里くんの場合はわかっててか」


「まぁまぁ、玲也もそんなこと言わない。お姉ちゃんも鈍感だけど、光汰さんもなかなかだもんね」


「…どん、かん…」


「あれは一生直らないだろうな」


みんな固まって何話してるんだろう。


気になるけど…入りにくい空気なんだよね〜。


「なぁ、仕事が終わったなら…前の学校に戻るんか?」


前の学校…。


仕事が終わった後のことなんて1つも考えていなかった。


黒狼のことを考えるなら戻る方がいいだろう。


このまま柚瑠で通うにも限界があるし。


だけど…。


「戻らないよ。ここにいても総長はできるし。もちろん、仕事もね。だから私は戻らないよ」


光汰のソバにいたい。


今はただ、それだけ。


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