EGOISTIC憎愛デジャ・ビュ


†††




「ほら、月那。抱いてやるから力を抜け。そうガチガチになるな」

「むむむ無理ですー!!」


あの事件から数年。

十五歳になった月那は相変わらず氷河に対してのみ甘え下手だった。

「待て。布団から抜け出そうとするな。千夜のもとへは行かせないぞ。お前と寝るのはこの俺だ」

「……なんかセリフだけ聞くと誤解を招きそうだぜアニキ」

「千夜さまぁ!助けて下さーい!ケホケホッ…!」

「ああ~風邪っぴきが大声出すなっての。アニキが添い寝してくれるってんだから甘えとけよ」

「無理ですよ!このままじゃ私、布団の中で氷河さまにキュン殺されます!」


月那が体調を崩した。

単なる風邪で、ちょっぴり熱っぽいだけなのだが、氷河は溺愛ペットに「至れり尽くせり攻撃」を開始。

構ってくれるのは嬉しいが、ドキドキし過ぎて月那の熱は下がるどころか上がりっぱなしだ。

添い寝宣言をした氷河が月那を抱えて布団にもぐり込む。

と、丁度その時、駿が月那の具合を見に部屋へやって来た。

「氷河さま!月那に近寄ると風邪が移りますよ」

「ん?駿か。構わん。月那のものなら愛おしい」


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