EGOISTIC憎愛デジャ・ビュ
三日経っても両親は帰らなかった。
「なあ、もう一週間になるぜ!父さん達どうしちまったのかな!?」
「苛立つな。心配しているのはお前だけではないんだぞ」
弟に言いながらチラリと月那達を見る。
ここ、居間には駿と早苗もそろっていた。
「本当に遅いですよね」
「今までこんなことなかったのに…」
暗い表情をする月那と駿に対して早苗が明るい声を出す。
「予定を長引かせて、お二人で夜間に地上観光でもしていらっしゃるのかもよ?」
「そうならいいが…」
氷河がポツリと呟いた時だった。
何気なくテレビをつけた千夜が顔を真っ青にして意味のわからない言葉を叫んだ。
「どうした千夜。うるさ――」
注意した瞬間、女性アナウンサーの声が耳に飛び込んできた。
『魔冬永久様とその妻、美歩子様が惨殺されたとの情報が――』
「………は?」
画面がパッと変わり、動画が流される。
『こちらが人間から送られてきた動画です』
その動画には首を切断された両親の姿が映されていた。