EGOISTIC憎愛デジャ・ビュ
「「きゃああっ!!」」
月那と早苗が同時に悲鳴を上げる。
駿は呆然として動画を見つめていた。
「嘘だ……嘘だこんなの!!!!!」
信じられずに千夜が頭を振った時、カラリと襖を開けて桃が入ってきた。
「氷河さまー。荷物が届きましたよー」
両手で抱えてきたダンボール箱をドンと畳の上に置く。
しかし今は届いた荷物のことなど、どうでもよかった。
「…父上……母、上っ」
「氷河さま?荷物どうしますか?」
「ああ……開けておいてくれ」
千夜同様、真っ青な顔でそう言うと、彼はまたテレビに視線を戻した。
動画は終わり、アナウンサーと解説者が映っている。
『これは地上にいる人間側の宣戦布告となるのでしょうか。解説を、人間について詳しい――』
「きゃあああ!!!!」
解説者の紹介がなされる寸前、ダンボール箱を開けた桃が中を覗き込んで尻餅をついた。
幽霊でも見たような表情で震えながら後ずさる。
「桃…?どうした?」
いち早く駿が近寄りダンボール箱を確かめる。
すると――。
「ひっ!!ひょ、氷河さま!!氷河さまこれ!!」
「なんだ」
呼ばれてやっと中身を確認した氷河は、言葉を失った。
そこには寄り添いあった両親の生首が入っていた。