EGOISTIC憎愛デジャ・ビュ


 それから氷河は変わった。

一週間、自室に閉じこもっていたかと思ったら、急に出て来て父親の部屋にあった日本刀を手にした。

そして――。


「お、おやめ下さい!!氷河さま!氷がっ――!」


早苗を斬った。

ためらいなく。


パッと鮮血が飛び散り、返り血が彼の頬につく。

氷河の瞳は凍てついていた。


「きゃああ!!」

斬られた早苗をキッチンで発見し、叫び声を上げる桃。

次の瞬間、桃の首はパックリと裂かれていた。

氷河の刀によって。


「氷河さま!?何、を……何をなさってるんですか!!」

悲鳴を聞き、駆け付けた駿。

血まみれのキッチンを見て戦慄するも、心を強くもってキッと氷河を睨みつける。

「なぜ、こんなことを…!!俺達が…何かしましたか…!?」

「人間など…信用できん」

氷河は死んだような表情で駿を見下ろした。


「消えろ…」


駿の腹に凶器を突き刺す。


「ガッ……ハッ…!」


完全に息の根を止めるまで、氷河は刀をねじ込んだ。


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