EGOISTIC憎愛デジャ・ビュ
「お前への罰はこれだ」
「ふえ…」
現在、罰ということで月那は氷河にギューギュー抱きしめられている。
果たして罰になっているのか微妙なところだが、月那の小さな心臓はさっきから破裂寸前だ。
(ひょうがさまがギュッて!ギューッて…!)
幸せである。
氷河のことは大好きなのだが、好き過ぎるゆえになかなか近づけない。
甘えづらい。
どう思われても構わない千夜になら遠慮なく甘えられるのだが、好きな人の前ではガチガチになってしまう。
自分から抱き着くなんてできないし、氷河に「おいでおいで」をされても素直になれない。
だが、お仕置きとして強引にされるなら素直に受け入れられる。
月那は顔をふにゃりと緩ませた。
「お前は柔らかくて抱き心地がいいな。癒される」
今の氷河はぬいぐるみを抱きしめて安心する子供のようだ。
彼は月那を抱えたまま自分のベッド――黒い柩に横たわった。