EGOISTIC憎愛デジャ・ビュ

「ひょ…が、さま…」

「ん、なんだ?」

「くる、し…」

「ああ、すまない。きつく抱きすぎたか」

少し拘束を緩めたら、月那はホッとしたように微笑んだ。

「む…」

その天使の笑顔に愛しさを感じた氷河。

彼は愛情をこめて月那の額に口づけた。


チュッというリップ音が響く。


月那はボッと頬を火照らせた。


(ひょうがさまが…!ひょうがさまが!おでこに、チュッて…!!)


興奮MAX。

嬉しすぎてぷるぷるしていると、ご主人様がペットの子兎に甘く囁いた。

「月那、今のキスは俺とお前だけの秘密だ。他の奴には内緒だぞ?いいな」

他の奴とはおそらく、月那と仲の良い人間の使用人だろう。

コクコクと頷くと、氷河は穏やかに笑った。

「ふっ…いい子だ」

彼の手が優しく月那の髪を撫でる。


(ひょうがさま…ダイスキ…)


小さな手が氷河の服をキュッと掴んだ。

胸元に月那の手を感じ、ペットに甘すぎるご主人様は満足げにクスリと笑ったのだった。







< 6 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop