EGOISTIC憎愛デジャ・ビュ
「ひょ…が、さま…」
「ん、なんだ?」
「くる、し…」
「ああ、すまない。きつく抱きすぎたか」
少し拘束を緩めたら、月那はホッとしたように微笑んだ。
「む…」
その天使の笑顔に愛しさを感じた氷河。
彼は愛情をこめて月那の額に口づけた。
チュッというリップ音が響く。
月那はボッと頬を火照らせた。
(ひょうがさまが…!ひょうがさまが!おでこに、チュッて…!!)
興奮MAX。
嬉しすぎてぷるぷるしていると、ご主人様がペットの子兎に甘く囁いた。
「月那、今のキスは俺とお前だけの秘密だ。他の奴には内緒だぞ?いいな」
他の奴とはおそらく、月那と仲の良い人間の使用人だろう。
コクコクと頷くと、氷河は穏やかに笑った。
「ふっ…いい子だ」
彼の手が優しく月那の髪を撫でる。
(ひょうがさま…ダイスキ…)
小さな手が氷河の服をキュッと掴んだ。
胸元に月那の手を感じ、ペットに甘すぎるご主人様は満足げにクスリと笑ったのだった。