EGOISTIC憎愛デジャ・ビュ
「ふえ?はうっ…!」
おかしな声を上げてしまった月那。
それというのも、いきなり氷河に抱き上げられたからだ。
「お前の様子を見に来たんだ。分かれ…」
耳元で吐息まじりに囁かれた瞬間、月那の小さな胸は異常なほど高鳴った。
ドキドキで心臓が破裂する前に氷河を押しのけ、ダッシュで廊下へ飛び出す。
向かうは、彼のもと。
「せんやさまぁああっ!!!!!!!」
「へ?月那?どったの?ってグボアッ!!!」
月那が千夜の腹にタックル、否、抱き着いた。
「せんやさま!ひょうがさまが!ひょうがさまがね!」
「ゲホッ…あーあーあー。またアニキ関係かよ。マジ勘弁してくれよ。いや、月那がうっとうしいってわけじゃないから。むしろ月那が関係するとうっとうしいのはアニキの方だから。泣きそうな目でオレ見るのヤメテ。ホント頼むから。オレがアニキに殺され…」
「千夜」
「ヒイイイッアニキィイ!!!!後ろに立つなよ怖ぇえからぁ!!」
ヌッと現れた氷河にビクリと肩を震わせる千夜。
その勢いで月那を抱きしめた。