守るから。-包み込んで-
今のは…誰の声かな?
「ちっ 早くしろ。うぜぇ」
えっ、ヤンキー君…?
「え、でも…」
私がもらったらあなたのは?と言おうとしたが、きつーく睨まれた。
「あ、ありがとう!」
すると、切なそうに目を細めて、外の景色を見てしまった。
なに…あの表情。
苦しくて、悲しくて、辛くて、愛おしそうな、その目。
こっちまで苦しくなる。
あ、授業だった。
いけないいけない、集中しなきゃ。
「このxに入る数字はなにか求めろ。じゃあ…あれ、香月…。」
香月、とはヤンキー君の事。
えと、名前は…確か、ゆうだったような?
ううん。ゆうた?違う…あ、優雅だ!
「教科書忘れてるんじゃないか!」
「黙れくそ」
うるさい先生にヤンキー君が呟く。