守るから。-包み込んで-
「じゃあ…稀子ちゃん、テニス頑張って!綾音ちゃんもバレー頑張れ!」
そう言って、最高級の爽やかスマイルを見せて帰っていった。
「何なんだろう…」
感情がかき乱されていく。
「ほらねー。篠田君は稀子の事好きなんだよ。」
「え…。本当かな。」
「あんだけ真剣な目してたんだから本当だよ」
「そっか。」
はっと思い出したのは、瑠奈ちゃんの顔。
瑠奈ちゃんは、晴妃の事が大好きで…。
どうしよう…私、私…瑠奈ちゃんにひどい事してる…
「綾音…私、瑠奈ちゃんにひどい事…ねぇ、どうしよう…」
「瑠奈ちゃん?あぁ、篠田君の隣の。それなら大丈夫じゃない?」