守るから。-包み込んで-
結果は…………勝った…。
すごく嬉しい。
「きーこーーー!すごいじゃん!頑張った!」
「ありがと!」
綾音が自分の事みたいにはしゃいでいる。
「稀子ちゃん、見たよ。すごい綺麗だった!頑張ってね」
あ、晴妃…
「う、うん。」
「次、サッカーだから見てよ?香月も、出てるから。」
わあっと顔が赤くなるのが分かる。
それと同時に心臓がバクバクなる。
どうしてよ…。分かんないよ…。
「はぁあ。何でよりによって…まぁいいや。じゃあね。」
またも切なげな表情をして行ってしまった晴妃を見て、思い出した。
最近、香月君が悲しそうな顔をしてるんだ。
いつも強がってるけど、瞳は助けてって言ってるような…弱った子犬のような…
何があったか、何を思ってるか、分かんないけど、
重い悩みを持っていない私が、言う資格は無いと思うけど、
私は、香月君を知りたい。
それだけだから。
何も知らないあなたの本当の心を、見てみたい。
それだけだから――――