守るから。-包み込んで-





「ワァァァ…」





うるさい歓声。





香月君が、ゴールした。






「かっ、香月君!! 頑張れっ」






大きい声で、香月君に向けて叫ぶ。





私に向けて親指を立てる。






届いた…






「き、稀子!? あんた…」





私は、清々しい笑顔で、






「好き」






「そっかぁ…頑張れ!」






「うん!」







香月君がしたように、親指を立てて綾音に見せた――――







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