守るから。-包み込んで-
「あ…ごめん」
私達の空気を察した晴妃がそう言った。
「別に。俺、こいつの看病してただけだし?」
「へぇ? じゃあ稀子ちゃんもらうわ。じゃーね?」
こ、怖いよ、晴妃…
なんか香月君を挑発してるみたいだけど…
「…あぁ。お前らがどーしよーと俺には関係ねぇし」
「その割には悔しそうだね。素直になればいいのに。」
晴妃は、私の手を取って保健室を出た。
「素直になんか…なれるわけねぇだろ…。」
そう呟いている香月君なんか知らずに。