ブルーシューズ
「こ、こんにちは!」

なんで、緊張してるの?
心臓が不整脈みたいに不規則に軋む。



「どうもー。」


先輩は口元を少しだけ緩めて、美術室に入って来た。


ガラガラ…ピシャッ



先輩はどうやら美術バックを忘れただけみたいでそれを取るとすぐに出て行った。

シャーと、水の流れる音で我にかえる。


私は出しっ放しの水道に気づいて急いで止めた。



パレットの水気を拭き取り、押し込む。

「お昼ごはん、食べなきゃ」


思い出したように呟いた私は急いで美術室を出た。


本当はお昼ご飯とか忘れてた。

だけど、先輩がさっき一瞬いた美術室に先輩がいないと急に寂しくなって。
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