ブルーシューズ
「やったー、由紀と一緒だー‼︎」

なーんて、アヤは言ってくれてるけど。


始めたのは同じ時期なのにアヤはひょいひょいと素振りをマスターし、基礎うちもあまり上手じゃない二年生の先輩とどっこいどっこいの域だ。


そのうち、先輩たちもひょいって簡単に追い越しちゃうんだろうな…


私なんか素振りとか、フットワークとかもまだまだ注意されるのに。


置いてかれたくない。


私も上手くなりたい。


そう思うのに…


「ごめん!」


ほら、足は思うように動かないの。


アヤの打ったシャトルは音もなく目の前の床に落ちた。

私はそのシャトルを拾い、サーブを打った。


「あ。」

カーンという音には覚えがある。


ラケットの面に上手く当たらなくてフレームに当たるとすっごい変な方に飛ぶんだ。

その時の音。

シャトルは、アヤとは遠く離れた所に軌道を描いて飛んで行く。


あー…やばい…
男子が打ってるコートに飛んでちゃった………






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