オトシモノ~君が零した未来~
◇第零章◇
『土方さん、そんな外に居ると身体が冷えますよ』
『・・・・・・あぁ』
白く濁った息を吐きながら、ぼんやりと空に浮かぶ星を見上げていた。
澄んだ月明かりに照らされた自分の影を、目の前の人物が無遠慮にも踏みつける。
『なぁ、総司』
静かに呼びかけた俺に、艶めく黒髪をなびかせながら振り返った。
不思議そうに首を傾げる彼に、俺は小さく呟いた。
『あんだけ強気に、思ってたのに。
何故だか、最近千歳が分からないんだ』
余りにも多い星屑に、正直と惑うばかりで。
――――見つけてやる、そう言ったのに、俺はまだあいつを見つけられていなかった。