オトシモノ~君が零した未来~
頭の中を、千歳と過ごした時間が順送りに再生されてゆく。
総司が階段下で倒れていた千歳を助けて、俺が誤解して拷問に掛けてしまった。
それから取り引きとして、屯所で身柄を保護して。
変な奴――――泉箕も、出てきた、不審者のように。
それから、静かに歩み寄ってくれる千歳が風邪を引いて、思いがけない告白もあって。
・・・・・・いつの間にか、惹かれていて。
池田屋で散った命に、千歳が涙を流して、総司が労咳だと分かって。
それから、泉箕が消えて、千歳が――――嘘を吐き続けていた。
気が付いたら、あいつもそっと星へと歩みを寄せていて。
あの夏の日。
「千歳――――・・・・・・」
涙を流しながら、向日葵のような笑顔を浮かべ、あいつは空へと登った。