オトシモノ~君が零した未来~
「・・・・・・寒ぃな」
京から遠く離れた土地で、ポツリと呟いた。
あまり綺麗とは言えない青空の下で、所々に残る先日降った雨のせいで出来た水溜りが、雲を映していた。
木に止まった茶色の小鳥が、何羽かの群れを作って、じゃれるように飛び交う。
そんな寒々しい景色を眺めながら、小さく溜息を吐いた。
・・・・・・大坂にいる総司は、今頃どうしているだろうか。
俺達の為に投降した、勝っちゃんは。
離隊していった、他の隊士達は。
散りじりに、そして確かに減っていく仲間を案ずる時間も最近減ってきている中、昨夜見た夢を思い出す。